予防歯科

「治す」から「守る」歯科医療へ

これからの歯科医療は、「悪くなってから治す」時代から、「悪くならないように守る」時代へと変わってきています。虫歯や歯周病は、症状が出てから治療するのではなく、そもそも発症しないように予防することがとても大切です。

一度削った歯は、どれだけ丁寧に治療しても、もとの健康な状態には戻せません。治療を繰り返すことで歯は徐々に弱くなり、最終的には抜歯が必要になるリスクも高まります。だからこそ、トラブルを未然に防ぐ「予防」が、歯を守る最良の方法です。

当院では、患者様お一人おひとりの口腔内の状態や生活習慣をふまえ、オーダーメイドの予防プログラムをご提案しています。定期的な検診とプロフェッショナルケアを受けていただくことで、虫歯や歯周病の早期発見・早期対応が可能になり、結果的に治療にかかる時間や費用、身体的な負担も軽くなります。

多くの方が、「虫歯になったら治せばいい」と考えがちですが、それでは気づかないうちに歯がダメージを受け、次第に「削る・詰める・抜く」のサイクルに入ってしまいます。これを繰り返すことで、将来的には多くの歯を失ってしまうケースも少なくありません。これは「負のスパイラル」とも呼ばれ、総入れ歯に至る方の多くがたどった道でもあります。

こうした事態を防ぐためには、日頃のセルフケアに加えて、歯科医院での定期的なメンテナンスが欠かせません。当院では、虫歯や歯周病を防ぐための多様な予防歯科メニューをご用意し、皆様のお口の健康を長期的にサポートいたします。

一生、自分の歯でしっかり噛み、食事を楽しみ、笑顔で過ごしていただくために。歯の健康は、「治す」から「守る」時代へ。今こそ、予防の大切さを見直してみませんか？

歯科衛生士による「PMTC」

毎日の歯みがきは基本ですが、それだけでは歯周ポケットや歯間に残るプラークは除去しきれません。当院では、専門教育を受けた歯科衛生士によるPMTC（Professional Mechanical Tooth Cleaning）を提供。歯の健康を守る、もう一歩進んだ予防ケアです。

フッ素の塗布
PMTCでお口の中を徹底的にクリーニングしたあとは、仕上げとしてフッ素塗布を行います。フッ素には、歯の表面を強くし、むし歯の原因となる細菌の働きを抑える効果があります。清掃直後のきれいな歯に塗布することで、フッ素がより深く浸透し、むし歯予防の効果を高めることができます。

塗布後はフッ素の効果をしっかりと発揮させるため、30分〜1時間程度の飲食を控えていただいております。そのため、PMTCを受ける前にはあらかじめ食事を済ませておくのがおすすめです。

フッ素塗布は、お子様はもちろん、大人の方にも有効なむし歯予防の手段です。

OHI（セルフケア指導）

当院では、患者様お一人おひとりの歯の状態や生活習慣に合わせて、歯科医師や歯科衛生士が丁寧にブラッシング指導を行っています。

このような指導を「OHI（Oral Health Instruction／口腔衛生指導）」と呼びます。OHIは単に歯の磨き方を教えるだけでなく、食生活や生活習慣も含めた総合的な口腔の健康管理を目的としています。

たとえば、「TBI（Tooth Brushing Instruction／歯磨き指導）」が歯ブラシの使い方や歯みがきのテクニックに特化した内容であるのに対し、OHIはさらに一歩踏み込んで、虫歯や歯周病の予防につながる生活習慣全体の見直しやアドバイスまでをカバーします。

具体的には、以下のような指導を行っています：

• 歯ブラシの正しい持ち方や動かし方
• 歯間ブラシ・デンタルフロスの効果的な使い方（実演と実践）
• 食習慣や生活習慣の見直しポイント
• 定期的なフォローアップで、セルフケアの習慣化をサポート

正しいブラッシング方法と生活習慣を身につけることで、患者様ご自身でも虫歯や歯周病をしっかりと予防できるようになります。日々のセルフケアをもっと確実に、もっと効果的に。健康なお口の維持には、OHIによる継続的なサポートが欠かせません。